昭和32年生まれの私は、日本経済が右肩上がりの高度成長期に子ども時代を過ごしました。当時は当時の問題がありましたが、今と比べると、社会全体に活気があって恵まれた時代だったと思います。一方で、私はと言うと、思春期になったころから、家族との関係、死の恐れ、将来の不安、なによりも自分を愛せないことで、ひとり悩みをかかえるようになっていました。
そんな中で、高校生の時でしたが、ふとしたきっかけで、聖書を読むようになり、イエス・キリストとの出会いを経験します。ひとり自分の部屋で聖書を読んでいた時のことです。次のことばが目に飛び込んできました。
「彼に信頼する者は、だれも失望させられることがない」(ローマ人への手紙 10 章 11 節)
この「彼」とは、イエス・キリストのことです。暗く閉ざされていた心の部屋に、ふっと光が差し込んできたように感じたのです。思い切って「神さま」と呼びかけた時に、確かに神さまが聞いてくださったように思えたのです。不思議な体験でした。
イエス・キリストを心に迎え入れた時に、私の肩から重荷が取り去られたように感じました。まもなく、近くの教会に集うようになり、洗礼を受け、私はクリスチャンとして歩み始めるようになりました。いつの間にか、あんなに自分を苦しめていた拒絶感、罪責感、むなしさからも解放されて、心の深いところに平安と希望が与えられたのです。
それから半世紀近くが過ぎようとしています。人生の節目でいくつか大きな決断がありました。クリスチャンとして歩み始めたこと。就職、アメリカでの三年間の留学、文化や価値観の異なる人たちとの交流、クリスチャンの妻との結婚、何度かの転職、子育て……人生の中で何度か大きな決断をしました。自宅を開放して、教会を始めたこともその一つです。
振り返ってみると、いろいろチャレンジはあっても、神様がいつもそばにいて、見守ってくださっていたように感じます。祈り支えてくれる家族や友人たちが与えられていることも大きな恵みです。
人生の価値は、「何を成し遂げたか」よりも、「誰といっしょにどんな時間を過ごしたか」によって決まるのではないでしょうか。あの時、「わたしに信頼してついてきなさい」と語りかけてくださったイエス様について行こうと心に決めて、本当に良かったと思います。チャレンジもたくさんありましたが、この方と歩む人生の中で、それにまさるたくさんの恵みを受け取ってきました。相変わらず欠けの多い私ですが、決して手放さず、いつもそばにいてくださる神様に、毎日をこころから感謝して過ごしています。
グレイスハウス牧師 堀井洋二
教会全体の牧会的な働きは、私たち夫婦を含め10名(5組の夫婦)の世話役が中心になって担っています。
私たちのパートナー、チャーリー&スーザン・タッカー夫妻を囲んで。
Rutsu Horii, Makie & Yoshiya Horii, Hiromi & Yukari Arizono, Izumi & Hidefumi Nakamura
Noriko & Yoji Horii, Charlie & Suzanne Tucker, Yoshie & Nobuaki Obata