使徒信条・ニカイア信条

私たちは使徒信条とニカイア信条をグレイスハウスの信仰告白の土台となる信条として考えています。

信条とは何か?

「信条」という言葉は、ラテン語の「credo」に由来し、「私は信じます、信頼します」という意味です。つまり、信条とは信仰内容の要約なのです。キリスト教の初期には、イエス・キリストの神性に関して、教会の中で多くの意見が対立していました。そこで、教会は、神への向き合い方、処女懐胎、イエス・キリストの死・葬り・復活の検証、審判者としての役割、三位一体の神の役割、教会の役割、罪の赦し、永遠の命などを網羅した、こうした信条の記述を作成しました。

キリスト教は大別して西方教会と東方教会に分類されます。西方教会とはカトリック教会とプロテスタント諸教会(聖公会を含む)を指し、東方教会はギリシャ正教を代表とする正教会および東方諸教会を指します。

使徒信条は、西方教会(カトリック、プロテスタント)において受け入れられている最も一般的な信仰告白文です。一方、ニカイア信条は、西方教会と東方教会どちらにも受け入れられている信条であり、全世界のキリスト教会に受け入れられている唯一の共通の信仰告白文です。

世界では、教会の礼拝で使徒信条やニカイア信条を告白している教会が多くあります。ここでは、キリスト者の信仰告白として用いられるこの重要な二つの信条、「使徒信条」と「ニカイア信条」を見ていきます。

使徒信条

信条の中で最も古いもので、イエス・キリストの最初の弟子である十二使徒の基本的な教えを包含していると信じられていたことから、この名がつけられました。1~2世紀にまとめられたとされるこの信条は、キリスト教の信仰を明快にまとめ、後の信条の基礎となるものです。教会の教えとキリスト者の信仰を簡潔にまとめています。

 由来 1~2世紀の初代教会で採用される
 目的 イエス、教会、救いについて、キリスト教の核となる信念を定義する。
 教会 西方教会の一部の教派では、通常の教会礼拝で使用されている。

使徒信条

わたしは、天地の造り主、全能の父である神を信じます。
わたしはそのひとり子、わたしたちの主、イエス・キリストを信じます。
主は聖霊によってやどり、おとめマリヤより生まれ、
ポンテオ・ピラトのもとで苦しみを受け、
十字架につけられ、死んで葬られ、よみにくだり、
三日目に死人のうちからよみがえり、天にのぼられました。
そして、全能の父である神の右に座しておられます。
そこからこられて、生きている者と死んでいる者をさばかれます。
わたしは聖霊を信じます。
きよい公同の教会、聖徒の交わり、罪のゆるし、体のよみがえり、
永遠のいのちを信じます。                
アーメン

ニカイア信条(ニカイア・コンスタンティノポリス信条)

ニカイア信条は、紀元325年にニカイア公会議で作成されたもので、キリスト教で最も多く使われている信条の一つです。その後、381年のコンスタンティノポリス公会議で改訂され、キリストが神より劣位にある(被造物である)と主張するアリウス派の異端を反駁しています。ニカイア信条は、キリストが永遠であり、父、子、聖霊の三位一体の一部をなしていることを疑う余地もなく明記しています。ニカイア信条は、キリストの受肉、人性と神性について、より深く、より詳細に述べています。

 由来 紀元325年、ニカイア公会議にて策定 381年コンスタンティノポリス公会議で改訂
 目的 キリストが被造物であると主張するアリウス派の異端を論駁するため
 教会 西方教会、東方教会、両方の一部の宗派で主に聖餐式に使用されている

ニカイア信条(ニカイア・コンスタンティノポリス信条)

私たちは、唯一の神、全能の父、天と地、見えるもの、見えないもの、すべての創造者を信じます。
私たちは、唯一の主、神のひとり子、イエス・キリストを信じます。
主は、あらゆる代々にさきだって父より生まれた方、光よりの光、まことの神よりのまことの神、造られずして生まれ、父と本質において同じです。主によってすべては造られました。
主は、私たち人類のため、また私たちの救いのため天から下り、聖霊と処女マリヤによって受肉し、人となり、私たちの身代わりとしてポンテオ・ピラトのもとで十字架につけられ、苦しみを受け、葬られ、三日目に聖書にしたがってよみがえり、天にのぼり、父の右に座り、生きている者と死んでいる者とを審くために栄光をもって再び来られます。彼の御国には、終わりがありません。
私たちは、聖霊を信じます。
聖霊は主、命を与える方、父と子より出で、父と子とともに礼拝され、ともに栄光を受け、預言者を通して語られます。
私たちは、唯一の聖なる公同の使徒的教会を信じます。
私たちは、罪の赦しのための唯一のバプテスマを告白します。
私たちは、死者の復活と来たるべき世の命を待ち望みます。
アーメン

使徒信条とニカイア信条が有益な助けとなる7つの理由

1. 私たちの信仰の真理を概説し、主要な聖書の教義を簡潔に述べています。
2. 真理を教え、私たちを誤った教えから守ります。
3. 伝統的な教えを維持し、イエス・キリストに従う者のための信仰の基準を提供します。
4. 礼拝において教会を導き、聖なる三位一体の神への信仰を告白することを助けます。
5. 霊とまことをもって主を礼拝した愛すべき先人たちの信仰と、私たちを結びつけるものです。
6. 神学教育や現代の道徳的な問題に対する理解を(本来の教えから逸脱して)不必要に作り変えるような行為を避けることができます。
7. 私たちの神への信仰を要約し、クリスチャンの間の一致を定義します。